身元は行方不明の船頭  京都・保津川で発見の男性遺体 

保津川下りで転覆し、引き揚げられた舟=28日午後、京都府亀岡市(渡辺恭晃撮影)
保津川下りで転覆し、引き揚げられた舟=28日午後、京都府亀岡市(渡辺恭晃撮影)

京都府亀岡市の桂川(保津川)で28日に観光客向け川下りの舟が転覆し、船頭1人が死亡、1人が行方不明となった事故で、京都府警亀岡署は30日、下流で遺体が見つかり、行方不明となっていた船頭の関雅有(まさくに)さん(40)=亀岡市=と判明したと発表した。

同署によると、30日午前10時50分ごろ、事故が発生した急流「大高瀬」から下流約400メートルの左岸付近で府警の捜索隊が水深約3・1メートルの川の底にうつぶせで沈んでいる遺体を発見した。発見当時、関さんはベルト型の救命具を着用していたが、作動していない状態だったという。

29日に現地入りした運輸安全委員会の船舶事故調査官2人は30日、報道陣の取材に対し、舟の左船首部分に破損が確認されたと明らかにした。

舟を運航する保津川遊船企業組合は、急流を下る途中で船尾にいた船頭が舵を空振りして「空舵(からかじ)」状態となり制御がきかなくなった舟が岩にぶつかり転覆したとしている。

事故は28日午前11時ごろ発生。乗客25人と船頭4人の計29人全員が川に落ち、船頭の田中三郎さん(51)が死亡。客25人と、船頭2人は救助された。府警などは、行方不明になった関さんの捜索を続けていた。

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