山上被告、記者の接見に応じず 初公判は「来年以降」の見方も 安倍元首相銃撃

奈良県警奈良西署から移送される山上徹也被告=2月、奈良市(彦野公太朗撮影)
奈良県警奈良西署から移送される山上徹也被告=2月、奈良市(彦野公太朗撮影)

安倍晋三元首相銃撃事件で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設に手製銃を発砲した建造物損壊や武器等製造法、火薬類取締法、銃刀法違反の罪で30日に追起訴された山上徹也被告は大阪拘置所(大阪市)に勾留されている。関係者によると、取り調べ以外は主に読書をして過ごし、食事も3食完食することが多いという。接見禁止は今年1月の最初の起訴後に解除されたが、被告は「弁護人ら以外との接見には応じない」として、産経新聞の取材に応じていない。

山上被告は昨年7月から約半年間、精神状態を調べて刑事責任能力を判断するため、大阪拘置所で鑑定留置された。関係者によると、山上被告は鑑定について「同じことを聞かれてうんざりする」とこぼすこともあったという。拘置所では新聞も購入しており、銃撃事件に関する報道にも接しているとみられる。

山上被告は鑑定留置終了後、捜査本部のある奈良県警奈良西署へ。県警が2月13日、5つの容疑で追送検して捜査を終えると、再び大阪拘置所に移送された。山上被告の弁護団は「面会するにも大阪は遠く、弁護活動に支障がある」として、移送取り消しを求めて奈良地裁に準抗告したが、奈良の拘置所などでは十分な警備体制を確保できないとして棄却。最高裁への特別抗告も退けられた。

事件は今後、裁判員裁判で審理される見通しだが、公判前整理手続きが長期化する可能性があり、初公判は「来年以降」との見方を示す捜査関係者が多い。県警幹部は「公判は注目されるだけに不測の事態も懸念され、かなり厳重な警備が必要になる」としている。

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