未成年者の性別適合禁止 米南部、州法で権利制限

米南部ケンタッキー州の上下両院は29日、未成年者の性別適合手術を禁じるなど性的少数者の権利を制限する州法案を可決した。民主党のビシア知事は拒否権を行使していたが、共和党保守派が圧倒的多数を占める議会が拒否権を覆した。

民主党のバイデン大統領は性的少数者の権利擁護を掲げ、専門的な医療を受けやすくするよう連邦機関に指示。共和党優位の州では権利縮小につながる規制が相次ぎ施行され、政治的争点となっている。

米メディアによると、今回成立した州法は18歳未満の性別適合手術やホルモン療法を禁じる。学校では出生時の性別に基づきトイレを利用するよう求め、授業で性的指向の話題を取り上げることも規制する。

南部ウェストバージニア州でも29日、共和党のジャスティス知事が同様の法案に署名した。未成年者への性自認に基づく医療行為を規制する法律は少なくとも10州で施行されている。(共同)

会員限定記事会員サービス詳細