【台北=矢板明夫】台湾の蔡英文総統が29日、中米と米国訪問のため台北を出発した。マッカーシー米下院議長らとの会談予定に海外から高い関心が寄せられており、実現すれば米台関係の前進を象徴する出来事になる。台湾を「自国の一部だ」と主張する中国が猛反発し、台湾に対する揺さぶりを強めているが、国内外で反発を招いており効果が乏しいようだ。
蔡氏は出発前、中国を念頭に「外部の圧力は国際社会に向かうわれわれの決意を止めることはできない」と報道陣に語った。
台湾の総統はこれまで、外遊の中継地として、たびたび米国を訪れた。ただ、中国を刺激しないよう米国側の要人とは公的な場で接触することは避けてきた。