南と北の島物語 樺太と南洋統治(26)樺太配電社長「電気を止めるな」2023/3/29 10:00喜多 由浩有料プラン記事ライフ学術・アート南と北の島物語 樺太と南洋統治反応樺太・豊原の自宅前に立つ杉本一家(大木光子さん提供)「樺太の電気を止めてはいけない!」昭和20(1945)年8月、ソ連(当時)軍が樺太に侵攻してきたとき、樺太配電社長、杉本孝作(すぎもと・こうさく)(1887~1947年)は、こう厳命したという。樺太配電社長時代の杉本孝作(大木光子さん提供)日ソ中立条約を一方的に破って南下を続けるソ連軍は「8月15日」以降も戦闘行為をやめない。日本固有の領土である北方四島や、北海道の北半分(留萌―釧路を結ぶ線以北)までを占領する領土的野心を持っていたからだ。ソ連軍による虐殺、略奪で樺太の邦人は恐怖のどん底に突き落とされ、社会は混乱の極みに達した。