会計検査院は29日、国が主導した新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する検査結果を公表した。厚生労働省はワクチン製造販売会社と計8億8200万回分の供給契約を締結したが、その確保量の算定根拠が十分に確認できないと指摘。検査院は厚労省に対し、今後は根拠資料を作成し事後検証できるようにすることを求めた。
報告書によると、令和2年10月~4年3月に結んだ契約では、供給量は米ファイザー製が3億9900万回分、米モデルナ製が2億1300万回分、英アストラゼネカ製が1億2千万回分、米ノババックス製が1億5千万回分の計8億8200万回分だった。
接種実績がわずかだったアストラゼネカ製について、厚労省は4年2月に約6225万回分をキャンセルする契約を締結。一定額が返金されることになったが、同省はその金額が妥当かどうか確認していなかったという。