韓国外交の司令塔辞任 更迭か、後任は駐米大使

韓国の金聖翰(キムソンハン)国家安保室長=5日、韓国・仁川国際空港(聯合=共同)
韓国の金聖翰(キムソンハン)国家安保室長=5日、韓国・仁川国際空港(聯合=共同)

【ソウル=時吉達也】韓国の外交・安全保障政策の司令塔となる金聖翰(キムソンハン)・大統領府国家安保室長は29日、「本日付で職を退く」と辞意を表明した。大統領府は同日、後任に趙太庸(チョテヨン)駐米大使を充てると発表した。

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は4月末に米国訪問、5月に広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)参加を控えており、重要外交日程を控えた国家安保室長の交代は異例。韓国メディアでは、尹氏の米国滞在の日程をめぐって米側との協議で混乱が生じ、金氏が事実上更迭されたとの観測も出ている。

金氏は李明博(イミョンバク)元政権で多国間外交を統括する外交通商省第2次官を務め、尹政権で国家安保室長に就任。尹氏の小学生時代からの友人で、外交・安保分野の「家庭教師」とも評されていた。

趙氏は外交官出身で、朴槿恵(パククネ)元政権で外務第1次官など要職を歴任した。

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