ウクライナを訪問中の国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は28日、AP通信のインタビューに対し、南部ザポロジエ原発周辺における安全管理区域の設置案の合意時期が「近いと思う」と述べた。近日中にロシアを訪れる可能性も示した。 タス通信によるとグロッシ氏は29日に同原発入りし、ロシア側の原発幹部らと会談した。
欧州最大のザポロジエ原発周辺では攻撃が続いており、同氏は昨秋以降、原子力災害を防ぐことを目的に非武装の安全管理区域の設置を訴えてきた。今回の現地訪問では「事故や再攻撃の可能性が高まっている」との懸念を表明し、安全区域の考え方を中心に合意に向けた調整を進めているとみられる。一方で、区域の範囲や合意の具体的な時期は示さなかった。
グロッシ氏は27日、ザポロジエ市を訪れ、ザポロジエ原発とその職員の保護を巡り、ゼレンスキー大統領と会談したとツイッターで明らかにした。(共同)