知りたい統一地方選

なぜ投票は紙? ネット投票に高いハードル

第20回統一地方選がスタートした。人口減少や経済、教育など課題は多岐にわたるが、そもそもなぜ選挙は大切なのか。世代の離れたキャラクター「昭男」と「令美」の「今さら聞けない」疑問に答える。

わざわざ投票所に行かなくても、自分のスマートフォンから一票を投じることはできないのか。そんな不満を持つ人も少なくないだろう。いわゆる「インターネット投票」を巡っては、実現すれば開票作業の効率化に加え、投票率の向上も期待できる。ただハードルもあるようだ。

ネット投票について、国がまったく検討を進めていないわけではない。総務省がまず導入を模索しているのが、海外在住の邦人による「在外投票」だ。海外に住む日本人が選挙に参加する場合、現状では現地領事館などへ出向いたり、国内の選挙管理委員会に投票用紙を郵送したりする必要があり、投票率が伸び悩んでいる。総務省の諮問機関は平成30年、マイナンバーカードの使用を前提とした在外投票でのネット投票の導入を提言。一部地域で実証実験も行っている。

海外では先行例がある。著名なのが欧州のバルト3国のエストニアで、2005年に地方選、07年に国政選へ取り入れた。人口約130万人の小国だが高齢者ら外出困難な人の投票が増えたという。

ただネット投票には、投票の秘密をどう守るかに加え、特定候補への投票の強制や票の売買といった不正リスクが指摘される。またネット投票の実現には公職選挙法の改正も必要になる。


会員限定記事会員サービス詳細