新START履行停止「まず米国が行動改めるべき」と露外相

ロシアのラブロフ外相(タス=共同)
ロシアのラブロフ外相(タス=共同)

ロシアのラブロフ外相は28日、プーチン大統領が履行停止を表明した米国との新戦略兵器削減条約(新START)について、現段階では「米側と何の接触もない」と述べ、履行再開の見通しがないことを明らかにした。モスクワでタス通信などと会見した。

ラブロフ氏は、ロシアに履行停止の権限はないとする抗議の覚書を米側から受け取ったとし「法的根拠のない主張だ」と一蹴した。条約にある信頼醸成や相互尊重の原則を踏みにじったのは米側だと批判し、履行を再開させたいなら「まず米国が行動を改めるべきだが、そのような兆候は見られない」と指摘した。

ロシアは条約履行を「完全に停止した」と改めて強調。ロシア外務省は2月、条約が定める核兵器の数量制限を順守し続けると表明したが、ラブロフ氏は「善意を示したに過ぎない」と語った。(共同)

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