埼玉県川口市は、ロシアによる侵攻が続くウクライナに廃車予定だった緊急車両を贈呈した。今回寄贈された車両は、同市で使用されていた消防ポンプ車と救急車で、それぞれ1台ずつ贈られた。いずれも今年度中に廃車予定だったが、走行性能などに問題はないという。市が同国に緊急車両を寄贈するのは初めて。
市によると、同国のコルスンスキー駐日大使から緊急車両の依頼があり、今回寄贈した2台の廃車を取りやめることを決定した。同市の鳩ケ谷ロータリークラブと川口東ロータリークラブが輸送費用を負担して現地に送り届ける予定。その後、運転席の位置などの改良を行い同国で運用を開始する。
27日には、緊急車両の寄贈式が同市で開催され、在日ウクライナ大使館のオレクサンドル・セメニューク公使参事官らが出席した。同市の奥ノ木信夫市長は、同国で深刻なインフラ被害が発生しているとの認識を示し、「(寄贈した)2台の車両が、ウクライナ国内で多くの方々の命の財産を守ることを期待する」と強調した。