終電間際の大阪難波駅。改札口に向かうエスカレーターで背後から「早く行けよ。何やってるんだ」と中年男性に罵声を浴びせられた。みながエスカレーターで右側に乗る片側空けをするなか、ひとりだけ左側に立っていたのが迷惑だったらしい。
3年前に脳出血で倒れ、右半身にまひが残る身体障害者になった。右手がやや不自由で、左手で手すりを持つ。つえを持っていたが、分かっていただけなかったようだ。
「急ぎたい気持ちはわかるが、事情がある人もいるということは分かってほしい」というのが正直な思いだ。電車内でつえをついていると、席を譲っていただくことも多く、配慮をありがたく感じているが、こうしたこともたまに起きる。
駅などでは、気ぜわしくなるラッシュ時や終電間際は焦る人も多い。トラブルに巻き込まれたくはないので、こうした時間帯は避けるようにしたいが、仕方なくラッシュ時や終電に乗ることはある。
鉄道会社などは長年にわたり「歩いたり走ったりするのは危険」という啓発活動を続けているが、実態はあまり変わっているように見えない。関東は「右」、関西は「左」を空けるという謎の風習の定着率はいまだに高いままだ。