史上最年少で五冠を獲得した令和4年、藤井聡太(20)はヒューリック杯棋聖戦五番勝負で棋聖として防衛に臨む前、産経新聞紙上で将棋に詳しい作家、奥泉光と対談した。
奥泉は「ある言葉を置いたことによって世界がどんどん変貌していく。それが小説の一番の面白さ」と述べた上で、「将棋でも相手が何を指してくるかはなかなか分からなくて、思いもよらない展開が繰り広げられる」と小説と将棋の共通点に言及した。
これに対し、藤井は「本当に一手で、頭の中で考えていた展開と全く違ってしまう、ということがあります。局面が変化していく、というのは偶然の要素もあると思うんですけれど、逆に偶然だからこそ面白い…というか」と返答した。