28日に検定結果が公表された小学校教科書のうち、5年生の社会で北方領土、竹島、尖閣諸島を3点の教科書すべてが「固有の領土」とした一方、先の大戦に関する自虐的記述が一部残った。また、道徳では「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」に関する検定意見が大幅増。ロシアによるウクライナ侵略が続き、北朝鮮がミサイル発射を繰り返す一方、韓国とは関係改善の動きがある中、自国の主権や歴史を学び、思いを深める教育の重要性は高まっている。
令和2年4月から実施されている小学校の学習指導要領は北方領土、竹島、尖閣諸島に関して、5年生で「わが国の固有の領土であることに触れること」と明示。固有の領土は「一度も他国の領土になったことがない」との意味を示す。
ただ、指導要領がこうした扱いを求めていない6年社会のうち1点は、「日本の領土である北方領土や竹島」との申請段階の記述に「児童が誤解する恐れがある」と意見が付き、「日本固有の領土」に修正された。また、領土問題について直接記述した箇所ではなかったが、5年教科書に掲載された地図で北方領土の択捉島を割愛するミスも。地図に択捉島を加える修正で合格に至った。