高市早苗経済安全保障担当相は28日の記者会見で、経済安全保障推進法に基づいて国が財政支援をしながら重点育成する「特定重要技術」が初めて採択されたことに言及。採択された高速・大容量のデータ処理が可能な衛星通信技術の開発など3事業について、「今後、具体的な研究開発に着手していく」と話した。
3事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が27日、採択した。他には海洋上の船舶の位置をリアルタイムで特定する通信技術の開発など。研究開発の資金は国の「経済安保基金」から支出し、3事業で計約800億円となる。期間は今年度から5~7年間の見通しで、開発した技術は民間だけでなく公的利用にもつなげる。
国が重要技術への支援を行うのは、経済安保の重要性が増す中、他国に対する優位性を確保し、国際社会にとって日本が必要不可欠となる分野を戦略的に増やしていくためとしている。
これまでの有識者会議で、ドローンの制御技術や人工知能(AI)セキュリティーなど27の重要技術が支援対象に決まっている。政府は順次、各重要技術に関する研究の公募を開始する。(浅上あゆみ)