文具メーカー大手のコクヨ(本社・大阪)は、昨年行われたサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会をイメージしたオリジナルデザインの特製ノートを制作した。同社は、全国の少年・少女サッカーチーム計500団体を対象に各100冊ずつ贈呈するため、チームを募集している。日本代表の森保一監督がW杯の試合中に同社の「キャンパスノート」を使用していたことをきっかけに始めた今回の企画について、同社は「練習の記録用や、普段の勉強用として、自身の成長に役立てていただければ」としている。
500チームに各100冊ずつ贈呈
キャンパスノートは昭和50(1975)年の販売開始以来、年間で1億冊を販売している同社の看板商品の一つ。昨年のW杯をめぐっては、森保監督が試合中に同社のキャンパスノートにメモをする姿がたびたび映し出され、「森保ノート」として一躍注目された。同社も「(キャンパスノートが)目標に向かって頑張る行為を助け、『学び』のツールとして有効であることが、サッカーの世界でも強く印象付けられた」と振り返る。
同社では、キャンパスノートがW杯で注目されたことに感謝の気持ちを伝えようと、全国の少年・少女のサッカーチームを応援する企画として、オリジナルデザインの特製ノートを全国から選ばれた500チームに各100冊ずつの計5万冊を贈呈することにした。
特製ノートはA6サイズ。1次リーグのスペイン戦で途中出場した三笘薫選手(ブライトン)が、ゴールラインを割る寸前で味方にパスを出して決勝点へとつなげたことで、世界的にも脚光を浴びた「三笘の1ミリ」の場面を表紙で再現した。同社は「大会を象徴するような印象に残る名シーンであること、最後まであきらめずに挑戦することの大切さを子供たちに伝えたいという思いから、デザインのモチーフにした」と説明する。
反響の有無にかかわらず「販売の予定はなし」
表紙には「NEVER FORGET THE REGRET」(悔しさを決して忘れないで)とのメッセージも添えた。「子供たちにとって日々の練習や学びの中で生まれる悔しさも忘れることなく、未来に向かって努力していけるように願いを込めた」(同社)という。
応募は①日本国内の高校生以下のサッカーチーム(チーム形態や規模は不問)②未成年の場合、保護者の同意を取得-などが条件で、特設サイト( https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/campus_soccergift/ )の応募フォームから申し込む。期間は4月17日まで。抽選結果は5月中旬ごろをめどに、当選者のみメールで通知する。ノートの発送は6月下旬ごろを予定している。
同社は「反響の有無にかかわらず、今後商品として販売する予定はない」としている。(浅野英介)
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