毎年の秋の独演会では、書き下ろしの新作を1席やっているのですが、平成14年の独演会では、1時間15分の長編新作落語に挑戦しました。1時間を超える古典落語の長編ネタ「地獄八景」に対抗する新作として作った噺(はなし)です。
地獄に対して「天国への階段」と題したその噺は3話構成になっていて、2人の作家と僕で、1話ずつ同じシチュエーションで話が展開するオムニバス形式の落語で、天国に行くために天使から課題を与えられ、もう一度下界でそのミッションをこなすという話です。
そのときのマクラとして、上方噺家の平均寿命を調べてみました。江戸時代にまでさかのぼることもできないので、上方落語協会が発足したときの初代会長、先代林家染丸師が亡くなられた昭和43年から亡くなった噺家の享年を調べて、上方噺家の平均寿命を割り出したのです。