ロシアによるウクライナ侵略で、ドイツ国防省は27日、独製主力戦車「レオパルト2」18両をウクライナに引き渡したと発表した。ロイター通信が伝えた。ドイツは独製歩兵戦闘車「マルダー」40両も引き渡したという。一方、英国防省は同日、英製主力戦車「チャレンジャー2」の習熟訓練を英国で行っていたウクライナ戦車兵が訓練を終え、帰国したと発表した。
ウクライナが将来的な反攻の原動力として期待する米欧製主力戦車の戦力化が一段と進んだ形。ウクライナは現在、前線で露軍を損耗させた上で、米欧製戦車を使って本格的な反攻に着手する構想を描いている。
ロイターによると、ピストリウス独国防相はツイッターを通じ、「供与した戦車は前線で決定的な働きをするだろう」と表明した。
ウクライナへの主力戦車の供与を巡っては、ポーランドが2月下旬以降、14両のレオパルト2を供与。ドイツやカナダ、スペイン、ポルトガルなどの供与分を含めると、計数十両の同戦車が引き渡される見通し。
このほか、英国は14両のチャレンジャー2を供与。米国も同国製主力戦車「エイブラムス」31両を供与する。さらに、ドイツは旧式主力戦車「レオパルト1」を今年中に80両、ポーランドも自国製主力戦車「PT91」約60両を供与する方針だと伝えられている。
前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は27日、最激戦地の東部ドネツク州バフムトなどで激戦が続いていると発表した。