韓国の裁判所で2月、同性カップルに夫婦同様の法的地位を認める初めての判決が言い渡された。韓国では、儒教文化に基づく厳しい家父長制度や、同性愛を認めないキリスト教の普及を背景に、同性婚など性的少数者(LGBT)の権利拡大運動に反対する世論が根強い。今回の事案の支援者らは「画期的な判決だ」として運動の進展を強調するが、同性愛をめぐるフェイク(偽)ニュースなどを拡散し運動に対抗するキリスト教勢力への配慮から、韓国政界の反応は鈍い。
2年かけ「1000分の1」権利得る
「今回の判決で得られるのは月わずか1万5000ウォン(約1500円)ほどに過ぎないが、『一市民として認められた』と感じた」。今月14日の会見で、男性同士の同性カップルの金龍敏(キム・ヨンミン)さん(33)と蘇晟旭(ソ・ソンウク)さん(33)は、そう喜びを語った。