日本人で初めてボクシングの五輪、プロの両方で頂点に立った村田諒太(37)=帝拳=が28日、東京都内で記者会見を開き、「本日をもってプロボクサー村田諒太は引退いたします。応援いただいた皆さま、ありがとうございました」と現役引退を表明した。昨年4月、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に敗れたミドル級世界戦が現役最後の試合となった。
引退の理由については「もともとゴロフキン戦が最後と思っていた。それ以上、自分自身がボクシングに求めるものがあまり見つからなかった」と述べ、今後に関しては「アスリートは夢がかなってしまうと、その後は熱量が持てない。これからのキャリアをしっかりつくって、競技だけが人生でないことを示し、よいロールモデルになれれば」と述べた。
奈良県出身の村田は2011年世界選手権で銀メダル、12年ロンドン五輪で同競技の日本人48年ぶり2人目となる金メダルを獲得。13年8月にプロデビューし、17年10月に世界ボクシング協会(WBA)王座を奪取した。1度は王座を失ったが返り咲き、ゴロフキンとの世界2団体王座統一戦では9回TKOで敗れた。戦績はアマチュアで119勝19敗、プロで16勝(13KO)3敗。