ヘッドマークに弟の卒業祝うメッセージ 運転士の兄が企画、関東鉄道がサプライズ運行

兄の中山凌雅さん(左)のサプライズに大喜びする力斗さん =筑西市乙の関東鉄道下館駅(谷島英里子撮影)
兄の中山凌雅さん(左)のサプライズに大喜びする力斗さん =筑西市乙の関東鉄道下館駅(谷島英里子撮影)

関東鉄道(本社・茨城県土浦市)の下館駅で、オリジナルのヘッドマークを装着した列車が運行するサプライズ企画が行われた。デザインは運転士の敬礼ポーズをする男の子の写真と祝福メッセージ。乗り鉄という下妻市の中山力斗さん(12)がモデルで、同社の運転士を務める兄が「弟の小学校卒業を祝ってあげたい」と企画に応募した。力斗さんは写真を撮るなど、兄の優しさにあふれた〝卒業祝い〟を満喫していた。

「北斗星」にかけて「力斗星」

オリジナルのヘッドマークを列車に装着するサービスは、同社の常総線と竜ケ崎線で5万円から実施しているもので、誕生日や結婚記念日、還暦祝い、プロポーズなどに利用できる。

中山力斗さんの小学校卒業を祝うオリジナルヘッドマーク(谷島英里子撮影)
中山力斗さんの小学校卒業を祝うオリジナルヘッドマーク(谷島英里子撮影)

このサービスを弟へのサプライズにと企画したのが力斗さんの兄、凌雅さん(23)だ。自身も子供の頃から鉄道が好きだった凌雅さんは「力斗はお年玉を使って列車に乗ったり、撮影したりしているので、鉄道で何か喜ばせたい」と考えたという。

今回のヘッドマークには力斗さんと寝台特急「北斗星」の名称をかけた「力斗星」の文字と、「小学校卒業おめでとう!」のメッセージが記され、運転士の敬礼ポーズをする力斗さんの写真があしらわれた。

「お兄ちゃんはかっこいい」

サプライズが決行されたのは今月21日。凌雅さんが「おじいちゃんの誕生日だから焼肉を食べに行こう」と誘い、家族7人で、下妻市の騰波ノ江駅から列車に乗車。下館駅で下車し、力斗さんをヘッドマークが見える位置まで誘導した。自分がデザインされたヘッドマークを見た力斗さんは目を輝かせ、「うれしい」と両手を挙げた。

心尽くしの卒業祝いに力斗さんは「お兄ちゃんは運転士をしていてかっこいい」と感謝し、将来は「鉄道関係の仕事に就きたい」と語った。同社総務部の吉田一啓係長は「一生の思い出になると思うので、利用いただければ全力で応援したい」と話している。

ヘッドマークのサービス申し込みは運行1カ月前までにホームページで。(谷島英里子)

 



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