初の国産量子コンピューターがいよいよ動き出した。日本は量子コンピューターの初期の研究では先駆的な成果を残したが、その後に激化した開発競争では米中に対する後れが目につく。本格的な量子コンピューター時代の到来に向け、国産機を活用した関連技術の蓄積や人材育成が進むと期待が高まっている。
数の争いから脱却
理研で稼働した国産初号機は、極低温に冷却して電気抵抗をなくす超電導の回路を使う方式だ。開発を率いた理研の中村泰信・量子コンピュータ研究センター長は、この方式の計算素子である超電導量子ビットを世界に先駆けて開発した。