知りたい統一地方選

立候補したくても…報酬や兼業の壁 規制緩和も「限定的」

地方自治法で設置が定められている地方議会。住民の声を政策に反映させる役割が期待されているが、近年は人口減少や過疎化のあおりで議員のなり手不足が問題になっている。

平成31年統一地方選で、候補者が議会の定数を上回らず無投票で当選した割合は道府県議が26・9%、町村議が23・3%に上り、過去最高を記録した。

なぜ地方議員を志す人が不足しているのか。要因の一つに待遇面の問題が挙げられる。特に小規模な自治体の議会では政令市や中核市の議会に比べ、議員報酬が少ない。例えば月額の議員報酬は横浜市(人口約377万人)の95万3千円に対し、宮崎県高千穂町(同約1万1千人)は23万2千円、奈良県山添村(同約3200人)では17万6千円といった具合だ。

なり手不足の対策として首相の諮問機関、地方制度調査会は昨年12月にまとめた議会改革の答申で、選挙に立候補する会社員らが準備を含む活動に専念できる休暇制度や、当選後も働ける兼業制度の創設を企業に要請すべきだと訴えた。一方、議会側が求めた休暇制度の法制化は企業への影響が大きく、時期尚早だとして見送った。

規制緩和の動きもある。これまで自治体と取引がある個人事業主は癒着防止のため、地方議員を兼務できなかったが、今月1日に施行された改正地方自治法は「年間取引額300万円以下」を条件に容認した。ただ「効果は限定的」との声もあり、さらなる見直しは不可避といえる。

第20回統一地方選がスタートした。人口減少や経済、教育など課題は多岐にわたるが、そもそもなぜ選挙は大切なのか。世代の離れたキャラクター「昭男」と「令美」の「今さら聞けない」疑問に答える。


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