KDDIは27日、1台で2回線利用できるスマートフォンの機能「デュアルSIM」を活用して、通信障害や災害時にソフトバンク回線を利用できるオプションプラン「副回線サービス」を29日から始めると発表した。月額基本料は429円。非常時の保険としての活用を想定しており、通話は従量制となっている。ソフトバンクも近く、非常時にKDDI回線を利用できるオプションを発表する。
副回線サービスの対象は、KDDIのauブランドと格安のUQモバイルブランド契約者で、auショップなどで申込後、スマホに組み込まれたチップに契約者情報を読みこませる機能「eSIM」か通常のSIMカードが発行され、ソフトバンク回線で新しい電話番号とデータ通信が利用できる。
個人顧客の料金は月額基本料に加えて、国内通話料は30秒22円。データ通信は月に500メガバイトまでを毎秒300キロビットという通常プランより低速で利用できる。ソフトバンクの通信設備への負荷が増えることを考慮して必要最小限の通信速度とした。SMS(ショートメッセージサービス)は送信1通3円で受信は無料。ソフトバンク回線への切り替えは手動で行う。
一方、法人顧客の場合は通話料とSMSの送受信は一般顧客と同額だが、月額料金は550円で、データ通信は月に1ギガバイトまでを毎秒1メガビットで利用できる。ウェブ会議などの利用を想定して個人顧客より通信速度を早くした。一般と異なり、eSIM対応スマホのみが対象となっている。