国の重要文化財で、日本ハリストス正教会発祥の地とされる「函館ハリストス正教会」(北海道函館市)は27日、大規模な改修工事を終え、約2年ぶりに聖堂内の平日の一般公開を再開した。
公開は午前10時に始まり、聖堂内に入った家族連れや観光客が聖人などのイコン(聖像画)を静かに見上げた。仙台市の高校教員菅野聡さん(63)は「3年前に来た時より内装が明るく、鮮やかになったと感じる」とほほ笑んだ。
約30年ぶりとなる今回の改修工事は2020年12月に始まり、今年1月に終了。耐震工事のほか、壁の修繕などが行われた。同教会の児玉慎一神父(62)は「美しくよみがえった聖堂を多くの人に見てほしい」と話した。
聖堂は1860年に当時のロシア領事館の付属聖堂として建設された。1907年に焼失し、現在の聖堂は16年に再建された。