熊本県立高3年の深草知華さん=当時(17)=が平成30年、いじめを受け自殺したとして、両親が同級生4人に計1100万円の損害賠償を求めた熊本地裁(中辻雄一朗裁判長)の訴訟は27日、いじめを認めて両親に謝罪し50万円を支払うなどの内容で最後の1人と和解が成立した。いじめの中心的存在で、昨年6~11月に和解した3人と異なり、命日に手紙を送るとの内容も加えられた。
原告側によると、手紙は両親に宛て、亡くなってから10年後と15年後の命日に知華さんへの思いをつづる。この日、口頭での謝罪はなかったが「死ねばいい」といった発言に「ふざけて言った言葉だけど、言うべきではなかった」と絞り出すように答えたという。
父、智彦さん(47)は閉廷後、記者会見で「亡くなって毎日ただ苦しかった。裁判は長く感じた」と言葉を詰まらせた。母、志乃さん(49)は「娘と向き合うことは私たちもつらい。(被告も)十分に受け止めきれなくても、向き合っていってほしい」と涙した。