【北京=三塚聖平、台北=矢板明夫】中国は26日、台湾と断交した中米ホンジュラスと国交を樹立した。中国の習近平政権は、「台湾独立」勢力とみなす民主進歩党の蔡英文政権に対する圧力を増しており、台湾と外交関係のある国の切り崩しを進めている。来年には台湾の総統選があり、民進党政権の追い落としに向けてさらなる攻勢をかけていく構えだ。
「一つの中国原則の堅持は国際的な大義に合致し、時代の流れに順応する正しい選択だと再び証明した」。秦剛(しん・ごう)国務委員兼外相は26日、北京でホンジュラスのレイナ外相と行った共同記者会見で、外交闘争の戦果をこう誇ってみせた。
中国は「一つの中国」原則を掲げ、世界2位の経済力を武器に台湾と外交関係がある国の切り崩しを進めている。台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は26日の記者会見で、ホンジュラス政府が病院建設費用や対外債務の返済費用などとして24億ドル(約3100億円)超の追加援助を要求したと明らかにした上で、中国と台湾の援助計画を「比較した」と指摘した。