大阪市長選で維新、府市一体を強調 「背水の陣」に他党警戒

日本維新の会の松井一郎前代表
日本維新の会の松井一郎前代表

26日告示された大阪市長選は、4月6日の任期満了をもって政界を引退する松井一郎市長(日本維新の会前代表)の後継を決める選挙だ。維新は本拠地の大阪で知事選と合わせたダブル選の勝利に加え、今月31日告示の府議選、大阪市議選でそれぞれ過半数の議席獲得を目指す。全国政党化に向け、統一地方選後半戦も含めて600議席の目標を掲げており、馬場伸幸代表ら党の「顔」を懸けた背水の陣を敷く。

「成長し、安心して暮らせる大阪を府市一体でつくっていこう」

雨天となった26日、大阪市中央区の南海難波駅周辺で、地域政党「大阪維新の会」前代表でもある松井氏は市長選の新人候補の第一声に駆け付け、聴衆にこう呼びかけた。

大阪維新はダブル選での勝利に向け、市長選候補の知名度アップに躍起だ。選挙期間中は松井氏らが街頭演説で候補と並び、知事選とのセット当選を訴える。

統一選前半戦の焦点は、大阪市議選だ。大阪維新の吉村洋文代表(維新共同代表)は定数が今回83から81に減る市議選で過半数の議席獲得を目標に掲げ、達成できなければ代表を辞する意向を示す。

狙いは、党内の引き締めだけではない。

平成22年の党創設以来、市議会で過半数を占めたことがない大阪維新は政策実現のために公明党と協力してきた。過半数を得た場合は大阪維新のみで政策決定が可能になるが、自民党などは「首長ポストと議会の過半数を同じ政党が握れば二元代表制が機能しなくなる恐れがある」と警戒感を募らせる。

大阪以外での党勢拡大に向け、馬場氏は統一選で地方議員を現状の1・5倍となる600議席以上に増やす目標を掲げ、達成できない場合は代表を辞任する考えだ。結果次第では「ポスト松井」の人材が党の顔でなくなるリスクをはらむ。(山本考志、北野裕子)

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