日本中WBC一色。
『週刊文春』(3月30日号)は「侍ジャパン大奮闘『秘録』」と正攻法で選手中心にエピソードを拾っている。
『週刊新潮』(3月30日花見月増大号)はちょっとヒネって「『大谷ジャパン』鮮烈なる残光」。
両誌とも選手のエピソードはテレビ、スポーツ紙などでも散々報じられているから、さほど新味ナシ。
『新潮』らしいのは、WBCの「経済効果」に注目したところ。
「経済効果」というと必ず出てくる関西大学の宮本勝浩名誉教授が、
〈「最終的には、600億から650億円になるのでは(中略)上野動物園のシャンシャンが先月、中国に帰りましたが、経済効果はおよそ5年半で約600億円。ひと月でそれにも並んでしまいそう」〉
ただし、
〈「納得できないのは、これだけ日本が収益に貢献したのに、利益の配分などが不透明で不公平」〉
どういうことか。
〈そもそもWBCは、MLBとMLB選手会が作ったWBCIなる企業が主催している。この規定によれば、入場料や放映権料、スポンサー料やグッズの商品化などの利益はWBCIが吸い上げ、その66%を彼らが得て、残りを他の国に分配する。NPBに認められた枠は13%〉
改善を要求すべきだろう。
不思議なことに岸田文雄首相の支持率が上がっている。
そのへんの分析をきちんとしてほしいのだが、『週刊ポスト』(3・31)が「高市が岸田を道連れに!『死なばもろとも』自爆テロ」。
『週刊現代』(3/25)が「高市早苗、クビ 岸田さん『すべて空っぽ解散』へ」。
どちらも匿名コメントばかりの臆測記事の域を出ていないのは残念。
『新潮』、このところ河野太郎デジタル相をしばしば標的にしている。
今週も「〝難あり案件〟にいつも『亡国の総理候補』河野太郎」。
乾燥コオロギを口に運ぶ河野氏のSNS画像をあげつらっているのだが、これで「亡国の総理候補」は気の毒。
(月刊『Hanada』編集長)