世界最強のネオジム磁石と、優れた特性から夢の素材と称されるカーボンナノチューブ、半導体分野で革新的な新技術と注目を集めるスピントロニクス。社会のありようを変える素材や技術を発見・発明し、ノーベル賞候補に挙げられる3人の科学者が登壇した特別シンポジウムが今月、名城大(名古屋市)で開かれた。世界的発見につながる研究の裏話や日本の科学技術の将来、次世代への激励など、3人が熱っぽく語った日本の科学への〝エール〟を詳述する。
豪華な顔ぶれ実現
登壇したのは、大同特殊鋼顧問の佐川真人氏(79)▽名城大終身教授の飯島澄男氏(83)▽東北大総長の大野英男氏(68)。災害・防災分野での包括連携協定を結んでいる名城大と東北大に3氏とも縁があることから、異分野でありながらも全員がノーベル賞の有力候補という豪華な顔ぶれが実現した。