「5年で防衛力緊急的強化」首相、防大卒業式で訓示

防衛大学校卒業式で、訓示する岸田文雄首相=26日午前10時20分、神奈川県横須賀市(代表撮影)
防衛大学校卒業式で、訓示する岸田文雄首相=26日午前10時20分、神奈川県横須賀市(代表撮影)

岸田文雄首相は26日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を盛り込んだ国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定に触れ、「今後5年間で防衛力を緊急的に強化し、わが国の抑止力、対処力を一層向上させていく。自衛官となる皆さんが早速取り掛かる大仕事だ」とエールを送った。

首相は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの訪問にも触れ、「一刻も早く止めなければならない決意を新たにした」と強調した。先進7カ国(G7)議長国として「法の支配に基づく国際秩序を守り抜く決意を示したい」と述べた。

また、中国を念頭に「急激な軍備増強や力による一方的な現状変更の試みが一層顕著となっている」とも指摘。「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と語り、防衛力強化の重要性を訴えた。

一方、近年相次ぐ自衛隊内のハラスメントについて「人の組織である自衛隊の根幹を揺るがすものだ。自衛隊の中核を担っていく皆さんは、改めてこの点を認識してほしい」と求めた。

本科の卒業生は留学生を除き446人(うち女性は45人)。任官辞退者は46人で昨年より26人減った。防衛大は今年度から、平成24年度以来10年ぶりに任官辞退者の卒業式出席も認め、46人全員が出席した。

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