フィギュアスケートの世界選手権は、日本勢が全4種目のうち男子、女子、ペアの3種目を制した。4年ぶりの自国開催となった大舞台で強さを見せ、日本スケート連盟の竹内洋輔フィギュア強化部長は「日本スケート界の歴史的な大会になった」と評価した。
実力者が底力を発揮した。男子の宇野は右足首の負傷を乗り越え、2連覇を達成。女子で2連覇した坂本も、フリーでミスが出ながら、ショートプログラム(SP)で今季世界最高得点を出すなどして逃げ切った。成長著しいペアの三浦、木原組はこの種目で日本勢初制覇。竹内氏は「ここまで成績を出せると思っていなかった。選手の努力の結晶」とたたえた。
一方、初出場の選手は苦戦した。今季のグランプリ(GP)シリーズ上位6選手によるGPファイナルで銀メダルを獲得した男子の山本草太(中京大)は15位。女子で、GPシリーズのスケートカナダを制した渡辺倫果(TOKIOインカラミ・法大)は10位だった。竹内氏は、大きな大会で自分のペースで調整する難しさにふれ、「本来持っているポテンシャルを引き出すことができなかった」と反省した。
今季は、北京冬季五輪の翌シーズン。3年後の2026年ミラノ・コルティナダンペッツォを見据え、竹内氏は「今の日本の状況を見て、他の国の選手は対応をしてくる。追いかけられる立場になるので、どう対応していくかは検討したい」と語った。(久保まりな)