かつては業者による偽ブランド品の取引が主流だった「コピー品」が、インターネット通販やフリマアプリの普及で個人輸入の機会が増え、トラブルなどに巻き込まれる恐れが高まっている。取引額は世界全体の貿易額の3%超を占めるとの統計があり、市場経済に与える影響も少なくない。近年急増する偽医薬品には、健康被害のリスクも潜む。不正輸入を阻止する水際対策の現場をのぞき、その異常な実態に迫った。
ビリビリに粉砕
東京湾沿いにある東京都江東区の産業廃棄物処理場に年数回、東京税関で差し止められたコピー品の一部が持ち込まれる。3月初旬にも大量の段ボールに詰め込まれた「商品」が持ち込まれた。