【台北=矢板明夫】台湾を訪問中の日枝久フジサンケイグループ代表は26日、北部・新北市の五指山にある「国軍墓地」を訪れ、李登輝元総統の墓前に献花した。また正論大賞特別賞のブロンズ像を、李氏の次女で李登輝基金会理事長の李安妮(り・あんに)氏に贈呈した。
正論大賞は、自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた言論活動に贈られるフジサンケイグループ主催の賞。李登輝氏は2019(令和元)年12月、「戦後の日本人が失った『公』のために尽くす純粋な日本精神を持ち続け、さらに台湾で民主化を推し進めた信念」などを理由に第35回正論大賞特別賞の受賞が決まった。20年2月に行われる予定だった贈呈式がコロナ禍のために延期となり、李登輝氏は20年7月に死去した。
日枝代表は今回、李氏の家族に記念のブロンズ像を贈るために台湾を訪問。李安妮氏に対し「李登輝氏の生前のご活躍に感謝する。日本人としてその貢献を永遠に忘れない」と語った。
李安妮氏は「今年の(第38回)正論大賞特別賞は安倍晋三元首相が受賞したと聞いています。日台関係を推進した父と安倍氏は今頃、天国で語り合っていると思います」と話した。