26日告示の大阪市長選に立候補した地域政党「大阪維新の会」新人の元大阪府議、横山英幸氏(41)と対立候補の無所属新人で元自民党市議、北野妙子氏(63)は因縁めいた仲だ。議会の違いこそあれ、いずれも議員時代の選挙区は大阪市淀川区。維新の看板政策「大阪都構想」の是非を問う住民投票を巡っては、それぞれ推進派と反対派の論客として火花を散らした。
父親が前香川県三豊(みとよ)市長の横山氏は大阪府職員から政界入り。平成23年の府議選に維新公認で初当選し、3期務めた。令和2年11月から維新幹事長。
北野氏は元市議の父親の地盤を引き継ぐ形で、平成17年の市議補選に自民候補として立候補し初当選。5期務め、市議団幹事長などを歴任した。
2人は、大阪都構想の制度案を議論するため29年に設置された府市の法定協議会(廃止)のメンバー。令和2年の2度目の住民投票に際し、横山氏は住民説明会で反対派の主張に逐一反論する様子が、交流サイト(SNS)などで注目された。北野氏は、自民を中核に「大阪市廃止にNO!」を掲げる反対派の急先鋒(きゅうせんぽう)として論陣を張った。
今月24日に開かれた市長選立候補予定者の討論会で「府市一体でなければ課題が棚ざらしにされ、政治決断ができなくなる」と訴える横山氏に対し、北野氏は「知事と市長が同じ政党なら意思決定が早いとは集団催眠みたいなもの」と反論した。終了後の撮影では、横山氏がおどけてファイティングポーズを取ろうとする場面もあった。
市長選にはほかに、いずれも無所属新人で飲食店経営の荒巻靖彦氏(58)▽作家のネペンサ(本名・安達真)氏(48)▽理学療法士の山崎敏彦氏(44)-の3人が立候補している。