原坂一郎の子育て相談

噓つく息子が信じられない

4月から小学3年生になる息子がすぐに噓をつきます。やっていない宿題を済ませたように言ったり、つまみ食いをしたのに「していない」と言ったりするのは日常茶飯事です。先日お使いを頼んだところお釣りが合わないので尋ねると、知らないと言いましたがポケットにお菓子が入っていました。問いただすとまた噓を言いました。噓とバレても絶対に謝らない強情さも持っています。今は何を言っても疑いの目で見てしまい、息子を信じられなくなってしまいそうです。どうすれば噓をつかず本当のことを言ってくれるのでしょうか?

「子供は正直」とよく言われますが、子供も噓をつきます。どんなときかといえば、一番多いのが「本当のことを言うと怒られるとき」です。息子さんも、「宿題をやっていない」と正直に言うと怒られ、「つまみ食いをした」と正直に言うと怒られるから噓をつくのだと思います。

これまで、息子さんが正直に言ったことを叱ったりしていませんでしたか? 子供は、正直に「ヤケドした」と言ったのに、「どうして触ったの!」と叱られたり、「おしっこ」と言っただけで「なんでもっと早く言わないの!」と言われたり、「正直に言ったら叱られた」ということがよくあります。転んで痛いから「痛い!」と言ったのに、「噓ばっかり」「痛くない痛くない」と否定されたりすることも。本当のことや思ったことを正直に言うと叱られ、噓をつくと何も言われないなら、大人でも噓をつきたくなってきます。

これからしばらくは折に触れ、「本当のことを言ってね、絶対の絶対に怒らないから」と言い、それで本当のことを言ったなら、その内容に少々問題があっても怒らず、逆に「よくぞ言ってくれた」とほめてください。そのあと、「でもね」と言いたいことを言うのです。そんな信頼関係ができると、噓も減っていくと思います。お子さんのことは疑いの目で見るのではなく、逆に認める目で見てほしいと思います。(こどもコンサルタント)

プロフィル

はらさか・いちろう 23年間の保育士勤務を経て平成16年から、こどもコンサルタントとして研究・執筆・講演活動を行う。日本笑い学会理事。自他共に認める怪獣博士でもある。

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