うめきた未来駅④

近未来感ただようインタラクティブ空間

コンコースのプロジェクションマッピングには迫力のある映像が浮かび上がる=大阪市北区(恵守乾撮影)
コンコースのプロジェクションマッピングには迫力のある映像が浮かび上がる=大阪市北区(恵守乾撮影)

JR大阪駅のうめきた地下口から改札内に入ってすぐのコンコースでは、横幅14メートル、高さ3・3メートルの巨大なプロジェクションマッピングが目に飛び込んでくる。

実写とCGを融合した演出で「水の都・大阪」をイメージした映像が投影される。立体的に表現された岩、清涼感あふれる水中、自由に泳ぐ魚の姿などが描写され、時間帯ごとに映像の色や明るさが8段階で変化する。「約20年先の鉄道のあり方から逆算でイメージを作り上げた」とJR西日本の開発担当者が話すように、近未来感が漂う空間で、「インタラクティブ空間」と名付けられた。

近くのタッチパネル6枚を操作すると、訪れた人が映像に桜吹雪などの演出を加えられる。また、AIカメラも設置され、人が近づくと水中に泡が立つなどの仕掛けも施されている。他企業や自治体にも利用してもらう計画で、「大自然の映像を投影して、都会の真ん中でアウトドア用品の体験イベントもできる」とアピール。JR西日本イノベーション本部の土居彰吾さんは「AIカメラも使って、新しい体験ができる場にしていきたい」と意気込む。

関西のコンコースといえば、旧阪急うめだコンコースのアーチ型天井など、凝った意匠が利用客を楽しませてきた。JR西も、単なる通過点ではなく、訪れたくなるコンコースを作ろうと計画する。大阪の新しい顔、新名所を目指す。=おわり

この連載は黒川信雄、桑島浩任が担当しました。

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