自民党が与党第一党を維持し、野党が政権獲得とは無縁だった東西冷戦下の55年体制から脱却し、日本でも政権交代を可能にしようと改正公職選挙法が平成6年に成立して約30年がたった。従来の中選挙区制に代わり、小選挙区比例代表並立制を導入することで「民主主義の発展」に寄与しようと当時、同法に賛成した与野党の議員らは、健全な政権交代を直ちに期待できそうにない今の政治状況をどう見ているのか。
「新人議員の頃に『小選挙区制』という言葉が注目されるようになった。背景にはリクルート事件や佐川急便事件があった」。昭和61年の衆院選で初当選し、現在当選回数12回、自民党総裁選に4度出馬した経験を持つ元幹事長、石破茂は東京・永田町の議員会館で若き日々をこう振り返る。
「汚職がはびこる背景には金権政治がある」