うめきた未来駅③

まるでふすま 自在な世界初のホームドア

JR大阪駅新地下ホームに設置された〝世界初〟のフルスクリーンホームドア=大阪市北区(恵守乾撮影)
JR大阪駅新地下ホームに設置された〝世界初〟のフルスクリーンホームドア=大阪市北区(恵守乾撮影)

「縦横無尽、かつダイナミックにドアが開く様子には、きっと感動してもらえるはず」。JR西日本の担当者が力を込めて語るのが、大阪駅の新ホームに設置された「フルスクリーンホームドア」だ。

安全確保のため、線路部分とホーム部分を完全に遮断する、床から天井まで全体を覆ったホームドア。全体が大画面テレビのようになって、自在に映像を浮かび上がらせることもできる。行き先や発車時刻、運行状況なども表示できる。

また、最大の特徴は、扉の開閉位置や幅を変えることができる点にある。3ドアの車両でも、2ドアの車両でも、どんな列車の形状にも合わせられるという。日本家屋にあるふすまのように、開口部をスライドさせて対応する。

なぜこのような仕組みが必要だったのか―。その答えは、令和13(2031)年に開業する新線「なにわ筋線」にある。大阪市内を南北に貫く新線の発着地点となる同ホームには、JR西などと共同で同路線を運営する南海電気鉄道が乗り入れる予定だ。「どのような形態の車両が入ってくるか分からない」(JR西)なか、柔軟に稼働できるホームドアが必要だった。

列車のドアの位置や幅などの情報は、接近した列車からホームドアのセンサーに送信される仕組み。一方で、ドア側には、利用客や手荷物がドアに挟まれないように感知するセンサーも備える。「世界初のホームドア」と担当者は胸を張る。


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