日本野球の力を世界に示してくれた。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、日本の3大会ぶりの優勝で幕を閉じた。決勝は強打者ぞろいの米国に全員野球で立ち向かい、一発勝負をものにした。よくやってくれた。
米大リーグ組の存在が大きかった。唯一、2月の宮崎合宿に初日から参加したダルビッシュ有投手(パドレス)は、短期間でチームに一体感をもたらした。自ら会食を提案し、率先してコミュニケーションを取って潤滑油になった。若手投手には惜しみなく技術や知識を授けた。すぐに習得できるものではないが、感覚が狂ったとき、修正するための引き出しになるだろう。2009年の第2回WBCで胴上げ投手になった14年前の経験を存分に還元してくれた。