浪速風

人を生かすのが指揮官の仕事

会見する侍ジャパン・栗山英樹監督=千葉県成田市(佐藤徳昭撮影)
会見する侍ジャパン・栗山英樹監督=千葉県成田市(佐藤徳昭撮影)

野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」が14年ぶりの優勝を果たした。投打の「二刀流」でチームを牽引(けんいん)し、最優秀選手に選ばれた大谷翔平らの活躍が脚光を浴びるが、まずはチームを一つにまとめた栗山英樹監督の手腕に賛辞を贈りたい

▶帰国後の記者会見で述べた「難しい試合の中で、選手たちは自分の役割をやり切ってくれ、勝ち切っていった」との言葉が印象的だった。勝負事なので、出場機会を与えられない選手が出てくるのは仕方ないが、控えに回った選手たちも腐ることなく前向きな気持ちを保ち続けた

▶ポイントは、役割の明確化ではないか。準決勝のメキシコ戦で俊足の周東佑京がサヨナラのホームを踏んだのが好例。個々の選手の特長を把握し、適材適所の起用法が抜群だった。適所を明示されれば、それ以外で使われなくても納得できる。指揮官の最大の仕事は、人を生かすことである。

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