【パリ=三井美奈】フランス大統領府は24日、年金改革への抗議デモが続くことを理由に、26~29日に予定されていたチャールズ英国王の初の国賓訪問が延期されたと発表した。28日には新たな全国デモが予告されていた。
仏大統領府の声明によると、マクロン大統領は24日朝にチャールズ国王と電話で会談。その後、英仏政府が延期を正式に決めた。声明は、国王受け入れは「両国の友好に見合った状況で行われるべき」としており、できるだけ早く新たな日程を決めるとしている。
フランスでは23日、抗議デモが暴走し、パリなど各地で放火や商店破壊などの騒ぎに発展。国有動産を管理する職員の労働組合は、国王受け入れの際に必要な家具や旗、赤じゅうたんの用意を拒否すると表明していた。27日にベルサイユ宮殿で予定されていた国王夫妻の歓迎夕食会は、警備の不安が指摘されていた。