がん治療論文データ捏造、岡山大教授 100カ所超で

岡山大は24日、学術研究院医歯薬学域の神谷厚範教授(56)が令和元年に発表したがん治療に関する論文に100カ所を超える実験データや画像の捏造(ねつぞう)、改竄(かいざん)があったとする調査結果を公表した。岡山大は神谷教授に論文の撤回を勧告しており、処分についても検討する。

岡山大などによると、論文は自律神経の操作によって、がんを抑制する新たな治療法の開発につながる可能性について研究したもので、令和元年7月8日付の科学誌「ネイチャーニューロサイエンス」電子版に発表された。

2年9月に匿名の告発があり、岡山大と、神谷教授が以前所属していた国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が調査委員会を設置。同じ画像を使い回すことによる捏造などを確認した。

槙野博史学長は「本学教員としてあるまじき行為で、到底容認されるものではない」などとするコメントを出した。


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