セブン&アイ・ホールディングスの株式を保有する米投資会社バリューアクト・キャピタルが、井阪隆一社長ら取締役4人の退任を求める株主提案をセブン&アイ側に送付したことが24日、分かった。5月の定時株主総会で諮られる見通し。バリューアクトは好調なコンビニと不振の総合スーパーを切り離すよう求めており、現経営陣が今月公表したリストラ案が不十分だと判断したもようだ。
バリューアクトが提案した取締役選任案のうち、井阪社長と後藤克弘副社長、社外取締役の伊藤邦雄氏と米村敏朗氏が含まれていなかったという。事実上、4人の取締役に対し退任を迫った形だ。可決には株主総会で過半数の賛成が必要となり、委任状争奪戦に発展する可能性がある。
バリューアクトは「物言う株主」として知られ、1月に主力のコンビニ、セブン―イレブンの分離・独立を提案する書簡を株主らに送付した。株主価値を高めるため、低迷が続くイトーヨーカ堂を切り離すことが目的とみられる。セブン&アイは今月、イトーヨーカ堂の店舗閉鎖を積み増す合理化案を公表したが、理解を得られなかったようだ。
セブン&アイは、バリューアクトから23日に株主提案を受領したことを認め、「提示された内容については取締役会で精査・検討を進める」とコメントした。