観客席でドローン遠隔操縦し、観光体験…スタジアムの新たな楽しみ方始まるか 楽天モバイルが実証実験

ノエビアスタジアムの観客席でドローンを遠隔操縦する実証実験(楽天モバイル提供)
ノエビアスタジアムの観客席でドローンを遠隔操縦する実証実験(楽天モバイル提供)

サッカーJ1ヴィッセル神戸の本拠地、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)の観客席でコントローラーを使って、約5キロ離れたハーバーランド(神戸市中央区)周辺の海上を飛ぶドローンを遠隔操縦し、神戸旅行を疑似体験する。そんな試みが始まっている。超高速、大容量で低遅延の5G通信を活用した取り組みで、今月8日に行われたYBCルヴァン・カップのヴィッセル神戸-名古屋グランパス戦で実証実験を実施。その後に報道陣を招いての体験会も開催した。試合観戦に訪れたファンやサポーターに新しいスタジアム体験をしてもらい、神戸市の魅力ある観光地情報を提供することを目指している。

モニター画面に映し出された映像。ドローンの空撮映像にARコンテンツを合成表示している(楽天モバイル提供)
モニター画面に映し出された映像。ドローンの空撮映像にARコンテンツを合成表示している(楽天モバイル提供)

実証実験は、楽天モバイルと、モバイルパートナーのヴィッセル神戸、神戸市の3者が合同で実施。試合観戦に訪れた2家族7人が、楽天モバイルの5Gを活用してスタジアムの観客席でコントローラーを手に、ドローンを遠隔操縦した。実証実験を行った座席には、ドローンの空撮映像をリアルタイムで映し出すモニター画面が設置されており、AR(拡張現実)のコンテンツも合成表示。名所の最新情報や歴史を表示させたり、アイテムボックスを通過すると、ヴィッセル神戸の公式グッズを獲得できたり…とゲーム性の高いつくりになっている。

また、観客席とハーバーランドの両方にドローン操縦に慣れたスタッフが控え、参加者に操縦法を教えたり、飛行を管理したりし、アクシデントにも備えた。参加者からは「観戦のためにスタジアムに来ているが、その際に観光の疑似体験ができることは価値があると感じた」「ドローンの操縦が初めてだったこともあり、自分の操縦によって仮想旅行が体験できるのは面白いと思った」といった感想が寄せられたという。

神戸港の海上を飛ぶドローン。これをスタジアムから遠隔で操縦する(楽天モバイル提供)
神戸港の海上を飛ぶドローン。これをスタジアムから遠隔で操縦する(楽天モバイル提供)

ノエビアスタジアム神戸ではこれまでも5Gを使ったさまざまな実証実験を実施。スマートフォンの画面に選手情報のAR表示を行ったり、スタジアムの混雑状況をリアルタイムに表示して、回避行動を行った参加者に地元商店街で使えるポイントを付与する取り組みを試したりした。

楽天モバイルの担当者は「スタジアムに来ても直行直帰する観客が多い。どれだけニーズがあるのかも知りたいと思い実証実験を行った。他のスタジアムでは味わえない体験だと思う。これからも観戦体験の充実や、神戸市内をより深く楽しんでもらうための施策を検討し、神戸の魅力向上、まちの活性化を目指したい」としている。


会員限定記事会員サービス詳細