四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、約60~130キロ圏内に住む広島県と愛媛県の住民7人が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(脇由紀裁判長)は24日、広島地裁決定(令和3年11月)に続き、住民側の申し立てを退けた。地裁決定を不服として住民側が即時抗告していた。
3号機の耐震性を巡り、四国電が定める基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)650ガルの妥当性が主に争われた。
住民側は、東日本大震災や新潟県中越地震など千ガルを超えた地震の観測記録に照らし650ガルは低すぎるとして「仮に同じような規模の地震が発生した場合、事故が起きて生命や健康を脅かされる危険性を排除できない」と主張。四国電は地盤の状況などを考慮した基準地震動は適正で「事故などの具体的な危険性はない」と反論していた。
広島地裁決定は「各地で観測された地震動の値を引用するだけでは、同じような地震が発生する危険性があるとはいえない」と判断した。