坂本連覇「うれしいけど、悔しい」 世界フィギュア

【世界フィギュアスケート選手権2023】女子FS 坂本花織の演技=24日、さいたまスーパーアリーナ(桐原正道撮影)
【世界フィギュアスケート選手権2023】女子FS 坂本花織の演技=24日、さいたまスーパーアリーナ(桐原正道撮影)

フィギュアスケートの世界選手権第3日は24日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われ、女子はショートプログラム(SP)首位の坂本花織(シスメックス)がフリー2位の145・37点をマークし、今季世界最高の合計224・61点で全種目を通じて日本勢初の2連覇を果たした。

坂本の目には光るものがあった。得点が表示されると、感極まり顔を覆った。全種目を通じて日本勢初となる2連覇の快挙を達成して紡いだ言葉は、「うれしいけど、悔しい」。頂点に立つもミスがあり、胸の中では相反する感情が交錯していた。

ミスを最小限にとどめた意地が優勝を引き寄せた。演技後半に予定していたフリップ-トーループの連続3回転ジャンプで、フリップが1回転になった。体勢がよくない状況から3回転トーループをつなげた。この1回転フリップ-3回転トーループで5・53点を積み上げ、難を免れた。首位発進したSPでの〝貯金〟も効き、「SPの差があってよかった」と安堵(あんど)した。

4年前、初出場だった同じ会場での世界選手権で味わった悔しさは、今でも鮮明に覚えている。SPで2位と好発進しながら、フリーでミスが出て5位に終わった。「準備万端で挑んだからこそ、あの失敗がすごく悔しかった」と振り返る。

今大会には「同じ場所、同じ試合でリベンジを」との思いで臨んだ。フリーのミスは「4年前と同じ」だった。それでも「なんとか素早く気持ちを切り替えられた。そこは結果につながった」と笑った。

昨年の北京冬季五輪銅メダリスト。モチベーションの維持に苦しんだ今季序盤の不調から脱し、再び世界一に上り詰めた。「もっと強い選手になりたい。緊張しても焦っても、自分を見失わずに最後まで滑り切れるような選手になりたい」。22歳は満足せず、まだまだ進化を続ける。(久保まりな)

世界フィギュアで女子の坂本が日本勢初の2連覇

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