昭和42年、日本初の自動改札機が阪急電鉄の北千里駅(大阪府吹田市)に導入され、「出改札業務の自動化時代の到来」と話題を呼んだ。ただ、ラッシュ時の改札の混雑解消のため研究を始めたのは近畿日本鉄道と大阪大学だったという。近鉄の佐伯勇社長(当時)が「世界にないものをつくれ」と発破をかけ、立石電機(現オムロン)も参加して実用化にこぎつけた
▶ところが一部の駅で国鉄との乗り換えがある近鉄は、国鉄側との調整がうまくいかず頓挫。研究開発を引き継いだ阪急が千里ニュータウンの一方の玄関口となる北千里駅の開業にあわせて設置した
▶今月開業した大阪市北区のJR大阪駅の新地下ホームに「顔認証改札機」が登場した。通過時に撮影する顔写真を、交通系ICカード「ICOCA(イコカ)定期券」に事前に登録したものと照合し、近未来的な顔パスを実現した。新しい技術への情熱がさらに移動のストレスをなくしていく。