教員が生徒の髪切る運用「指導の範囲超える」 「清風カット」に是正勧告

大阪弁護士会館=大阪市北区
大阪弁護士会館=大阪市北区

大阪市天王寺区の私立男子校「清風高校」が校則で指定している髪形「清風カット」を巡り、大阪弁護士会は23日、散髪検査で教員が直接生徒の髪を切るなどの運用が「指導の範囲を超えている」として、同校と運営法人「清風学園」に見直すよう勧告したと発表した。20日付。私立学校の校則への勧告は異例という。

同校は校則で、裾や耳元全体を刈り上げ、前髪は眉毛にかからない長さとするよう規定。月1回程度、検査があり、「これを守れない時は退学となります」と記載されている。

私立清風高の生徒手帳で定められている校則の髪形(画像の一部を加工しています)
私立清風高の生徒手帳で定められている校則の髪形(画像の一部を加工しています)

弁護士会は、私立学校の伝統や校風は「尊重されなければならない」とし、校則自体も「丸刈りのような美的意識を認める余地がないほどの強度な規制とはいえない」と「違憲・無効」との認定は見送った。

一方で、不合格になった生徒の前髪を教員が直接切るなどの行為も確認されたとして、散髪検査の運用は「指導の範囲を超えて髪形の自由を侵害している」と指摘。また、生徒側は校則の順守を誓約した上で入学しているものの、具体的な運用を知ることができるのは入学試験のときだとして「事前周知が十分ではない」と判断し、校則の見直しや生徒や保護者との協議を求めた。

弁護士会に人権救済の申し立てをした生徒は「結果に納得している。学校の対応に注目していきたい」とコメント。清風学園の担当者は「勧告の内容は真摯(しんし)に受け止め、誠実な対応を検討したい」とした。

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