奈良県知事選は自民党の議員らが支援する現職と新人が並び立ち、自民の分裂選挙となった。告示日の23日には、現職が現県政の継続を訴える一方、新人は若さをアピールするなど激しい舌戦がみられた。これに対し、大阪以外で初の公認首長誕生を狙う日本維新の会は、馬場伸幸代表が来県し、自民政治を批判した。
「48歳、一番若い知事候補です。しっかりと県政を引っ張っていきたい」
23日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、無所属新人の元総務官僚、平木省氏(48)は第一声を上げた。自民県連内から世代交代を求める声が上がる中、立候補した平木氏。自民国会議員や県議らも応援に駆けつけ、自民支持層にアピールした。
一方、5選を目指す現職の荒井正吾氏(78)。出陣式が開かれた奈良市内の選挙事務所は、自民県議らの為書が目立つ。運輸省(現国土交通省)出身の荒井氏は「リニア中央新幹線の『奈良市付近』の新駅設置を確定させるのが使命。リニアが京都に持っていかれないよう、奈良の未来をかけて全力で頑張る」と息巻いた。
対する維新は、元同県生駒市長の新人、山下真氏(54)を擁立。奈良市の近鉄奈良駅前で開いた出陣式では、馬場代表が「奈良の政治を新しい政治に変えていこう」と呼びかけ、山下氏も「官僚出身の知事を複数の政党が支える政治を改め、県民の暮らしをよくするために全身全霊で取り組んでいく」と語った。
知事選にはほかに、元同県大和郡山市議の無所属、尾口五三氏(72)=共産推薦=と、元中学講師の無所属、西口伸子氏(68)が立候補を届け出ている。